母の願い

　なあくんは未だに母親の私のことを「お母さん」とも「ママ」とも呼びません。
もうすぐ呼んでくれると信じているけど、その日が待ち遠しくてたまりません。
いつかきっと「お母さん」と呼んでくれるのを待ってます。

　なあくんの親となって5年、自閉症児の親となってから3年。
まだまだ未熟者の私。なあくんが私の子として生まれてきてよかったと思える日が来ればいいなと思っています。

そしてお兄ちゃんもなあくんが弟でよかったと思ってくれたら嬉しいな。
　なあくんはとてもゆっくりと成長します。

お兄ちゃんの時に見過ごしていた成長過程が、なあくんの場合ははっきりとわかります。
健常児では当たり前、簡単なことでもなあくんにとっては挑戦になります。

一つ一つ乗り越えていく大変さと喜びを教えられました。

辛いことが多い分だけ、喜びが大きくなります。

　なあくんは今私立の保育園に通っています。
家から一番近くの保育園です。
私はなあくんのことを隠したくないし、みんなに知って欲しいと思っています。

障碍を持つ人と健常者が共存できるように理解を深めていきたいと思います。
そして、なあくんがにこにこ笑って、楽しく生活できるような世の中であってほしいと思います。

　